美空「傷、手当しなきゃだね。」
真由「救急箱、向こうにあるから
美空に取ってきてやって。」
真由さんに指示された女の子
矢沢さんは救急箱を持って来ると
私に手渡す。
さっきまで怒っていた鬼藤くんは
大人しくソファに座ってくれた。
傷の手当てをしながら
精一杯の言葉を伝えた。
美空「心配はすると思う。
だけど、私は鬼藤くんと一緒に
学校に行きたい。
一緒に屋上でお弁当食べたい。
傷の手当てくらいしか
出来ないけど明日からまた一緒に
学校に行けないかな?
私は鬼藤くんがいないと寂しいよ。」
鬼藤くんは何も言ってくれなかった。
行くとも行かないとも。
ただ、黙って傷の手当てが
終わるのを待ち、終わった途端
廃倉庫から出て行った。



