美空「いっくんもありがとう。」
樹「え?何でバレた?」
美空「どうせつけてくるだろうなって
思ってたよ。今まで、いっくんは
私の事ずっと守ってくれた。
小学生の頃から喧嘩ばっかりの
両親に悩んでた時、大丈夫か?って
言ってくれる人はいっくんだけだった。
逆上がりも一輪車も勉強も
いっくんが教えてくれたから
出来るようになった。感謝してる。
いっくんがいなかったら私は
色んな事、諦めてたよ。
だから、これからは自分の為に生きてよ。」
樹「自分の為?」
美空「知ってるんだよ。
私と住み始めてからいっくんは
何よりも私の事を優先させてくれてた。
そのせいで彼女と喧嘩して
いつもため息をついてたよね。
でも、もう大丈夫だよ。
私には鬼藤くんがいる。」
いっくんは泣いた。
いっくんの涙もまた私は
初めて見た。
樹「そっか。卒業か。」
美空「卒業?」



