好きだから傷付ける


雅來「滝川、怪我ないか?」

美空「人の心配してる場合?
怪我人は鬼藤くんだよ。」

私が笑っても今日の鬼藤くんは
笑わなかった。

雅來「悪い。このまま
家に帰ってくれるか?」

美空「でも、鬼藤くんは?」

雅來「あいつらに任せてらんねぇだろ。
俺は戻るから、滝川はそのまま帰れ。
じゃあ俺行くから。...いたっ」

美空「鬼藤くん!!
無理だよ、そんな体じゃ。」

地面に寝転がった鬼藤くんは
星空を眺めながら笑っていた。

雅來「だっせぇな。
守るなんて言っておいてこのザマだ。
当分、樹さんに顔向け出来ねぇわ。」

私は鬼藤くんの手を握った。