美空「そうだね。私は弱いね。
鬼藤くんも真由さんも瀧澤さんも
優しいから皆が不良だって事忘れてた。
現実から目を逸らしてずっと逃げてた。
守られてる事に気付きながら
あの人達は特別な人達だからって
言い訳にしてた。皆も私と同じ。
たった16歳の子供なのにね。」
真由「何言ってんだよ!美空!
あんたを巻き込んだのはうちらだよ。
雅來が巻き込んだのか
うちや瀧澤が巻き込んだのか
分からないけど、でも美空は違うんだ!
うちはさ仲間として
美空の事を誇りに思うんだよ。
真面目に高校に通って勉強して
家庭や学校から見放されたうちらにも
優しくしてくれる美空に感謝してるんだ。」
美空「大切だって思うんだ。
同じ教室で授業を受けてきた
私に何の興味も示さない
クラスメイトよりも皆の事大切なんだ。
真由さんの事も瀧澤さんの事も大切。
でもね、やっぱりそれ以上に
私は鬼藤くんの事が大切だよ。」
さっきまで私の手を掴んでいた
男の手がそっと離れる。
樋口さんがその手を引き離してくれた。



