好きだから傷付ける


美空「拾わなくていい!
鬼藤くんがまいた種は
私が必ず咲かせるから!」

雅來「え?」

美空「何にも出来ないかもしれないけど
私は全然、弱いけど私だって守りたい!」

鬼藤くんは涙を流した。
真正面からこうして鬼藤くんの
涙を見たのは初めてだ。

今すぐ鬼藤くんを抱き締めたい。
こんな事を思ったのは、初めてだ。

男「おー、愛されてるねー!
はい!皆、拍手!
じゃあ、彼氏想いの彼女さんに
一肌脱いで貰いますか。」

でも、この場所で
そんな願いは叶わない。
ここにいるのは鬼藤くん以外
全員敵なのだから。

呑気に拍手をしていた男と
もう1人の男が私の両腕を掴む。