「せんせぇ…」 私は、せんせぇの横たわるベッドの側に座り込んだ。 「せんせぇ…」 せんせぇの指に光る指輪。私たちの愛の形。 私たちの結婚の約束。 なんで、せんせぇは、ここで寝ているの? 「ねぇ、起きてよ!」 「せんせぇ!!」 「帰ろうよ…。式場に。みんな待ってるよ」 私は、強くせんせぇを揺すった。 現実を信じたくなくて―――