「麻結。隠れろ」 せんせぇが私をそっと離した。 私は、急いで資料室の隅に隠れた。ここなら、本棚とかカーテンとかで死角になって見えないはず。 「やぁ、桑名先生」 えっ――― 私は、その声に、聞き覚えがあった。 「松本先生。珍しい、どうしてここに?」 「いやぁ、ここから女子の声がしたもんですから」 「空耳でしょう?」 「そうですかねぇ…」 松本はキモい笑顔で辺りを見回した。