でも俺は、あがくことも、どうすることもできない。 「…めん」 「え?」 黒西が、俺の顔を覗き込んだ。 「ごめん。ほんと、ごめん…」 何かが詰まったような喉を使って、俺はやっとそれだけ言えた。 涙は出てこないのに、顔を見られたくなくて、頭を下げた。 「…よし、それじゃあ、音楽の授業始めるぞ」 しんと静まり返った室内に、小島先生のわざとらしい声が響き渡った。 最初はみんな、黙っていたけれど、 「はい…」 「分かりました…」 と、口々に言って、席に座っていった。