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耳にふと入ってきた、音楽。
ピアノだ。毎日、人の声以上に聞いている、ピアノの音だ。
誰かが弾いているんだ。この曲は…。
そう。ヨハン・パッヘルベル作曲、3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調、第一曲。『カノン』という曲名で、古くから親しまれている曲だ。
俺が最も好きな曲と言っても過言ではない曲だった。
俺は静かに目を閉じると、ピアノの音を最大限に、耳に入れようとする。
プロ並みだ。ミスもなく、強弱も音もしっかりしているが、なんていうか人間が弾いているという事がすぐに分かる音だ。
聞いていると、心が癒されていく。瞼の向こうに、未知の世界が広がっていく。
俺は目を開けると、教室を飛び出した。
一体、このピアノの音はどこから流れているのだろう。
