「そういえば、空川はピアノ好きなんでしょ?なんか、それに関係した部活はいったら?」
黒西の言葉が、俺の心臓に真っすぐと突き刺さった。
鼓動が、大きく波打ってくる。胸の痛みが激しくなる。微かに息遣いが乱れた。
二人とも異変に気付いたのか、俺を覗き込んでくれる。
「お、おい、大丈夫、急に?」
「私、なんか変な事言っちゃった?」
…違う。別に二人が悪いわけじゃない。
「…ごめん、何でもないよ」
俺は、慌てて口端を上げるが、きっと不自然にしか笑えていないだろう。
二人も何か聞きたそうだったが、俺に気を使ってくれてるのか、何も聞いてこない。
「そう。じゃあ、私たち行くから、また明日ね」
「ああ…」
伊藤を見送ったときとは対照的に、俺は弱々しく返事をして手を振る。
