向日葵の目が、分かりやすいくらいに泳いだ。しばらく黙っていると、
 

「あ、ああ、そうそう!せ、成績が悪いって話をしてたんだよ。アハハ、もう、壊滅的な数字が、ずらりと並んでてさ」


と、明らかにたった今見つけたような言葉を並べる。


普通、成績だけで泣かないだろうし、その言葉自体も、信用性に欠けていた。
 

でも、だからといって、これ以上は言及できなかった。

ここまで向日葵が隠そうとしているってことは、きっと相当知られたくないという事だろう。
 

そんな究極の領域に、俺は、踏み込む勇気がなかった。