心の中に奏でる、永遠の向日葵



「え?あ、ああ」
 

案外変わらない伊藤の態度に、俺はびっくりして生返事をしてしまった。
 

すると、黒西が少し驚いた様子で俺に顔を向けた。
 

「え?空川って、和仁の部活も見に行ったの?」 
 
「ああ。後、水田の部活も。いやあ、剣道カッコよかったなぁ」
 

俺がそういうと、水田は照れたように頭を掻く。
 

「はは。そう言ってもらえると嬉しいよ。六月にインターハイ予選大会もあるしさ、よかったら見に来てよ」
 
「お、まじか。絶対に見に行くよ。めちゃめちゃ応援するわ」
 
「伊藤にあんまり騒がられると、こっちも恥ずかしいけどね」
 

そして、俺たちはその会話に、爆発したように笑う。
 

しかし、ふと黒西を見ると、なんだか少し引きつって笑っているように見えた。
 

「はーい。皆席についてー」
 

小島先生が入ってきたので、慌てて俺たちは席に座る。
 

「空川さん。課題の提出、来週までなので、よろしくお願いします」
 
「あ、はい」
 

前の男子が、そう教えてくれる。
 

この前のピアノ事件から、伊藤、水田、そして黒西以外のクラスメイトからは、完全に敬語で話すようになってしまった。
 

俺も元々愛想よく話せないし、向こうも俺のこの前のピアノで完全に引いてしまったのか、なんとなく微妙な距離が出来てしまったのだ。