心の中に奏でる、永遠の向日葵




次の日学校に行くと、真っ先に声を掛けてくれたのは黒西だった。 
 

「おはよう、空川!昨日は、来てくれてありがとね」
 

昨日、俺が叫んでいたことについて聞かれるかと思ったが、黒西は笑顔で俺にお礼を言っていた。
 

「え?あ、ああ。トランペット、しっかりと演奏をリードしていて、よかったよ」
 

とりあえず、できるだけ昨日の俺の行動については話題を向けられたくなかったので、俺はそっち方面の話題で盛り上がる。
 

黒西はまた嬉しそうに笑いながら、手を合わせる。
 

「よかった。中々、そうやって褒めてくれる人いないのよ。やっぱり、褒めてもらえると嬉しいもね」
 

向日葵とは違った、すこし大人っぽい喋り方。

昨日の不機嫌な態度とは打って変わって、今日はやけに上機嫌だった。
 

「また、たまには見学に行くよ」
 
「もちろん。待ってる」


 そこで、二人で微笑みあうと。
 

「よう。おはよう、空川、絵里」
 
「おはよう。二人とも」
 

伊藤と水田が、入り口から入ってくる。
 

俺も二人に挨拶し返そうとしたら、昨日の記憶が蘇ってきた。


『そうだよ。好きなんだよ』
 

だ、だめだ、意識し始めたら急に居心地が悪くなってくる…。
 

別に俺は関係ないのに、なぜか緊張してきた。 
 

ところが、そんな俺にも気づかず、伊藤は俺の方に顔を向ける。
 

「おう、空川。昨日は美術部の見学ありがとな」