心の中に奏でる、永遠の向日葵



いや、『かも』じゃない。絶対そうだ。
 

「ただいま」
 

久しぶりに聞く声に、俺は思わずパソコンから視線を外して、声のした方を見た。
 

「おかえりなさい」
 

母さんが、にこやかに笑う先にいたのは、三日ぶりくらいに顔を見る父さんだった。
 

いつも朝早く家を出て、父さんが帰ってくる頃には、俺はいつもピアノの練習をしている。

大して顔を合わせる理由もないため、わざわざ下に降りて父さんと会話することなんてなかった。
 

父さんは、荷物を母さんに預けると、俺に笑った顔を向けて近づいてくる。
 

「よう、ただいま日向。土曜日にコンクールに出るんだって?久しぶりに休日出勤しなくてよくなったから、お前のコンサート見に行けるぞ」
 

「…あ、そ」
 

父さんの呑気なことばに、俺はイラっとしてそっけなく返した。
 

父さんは、母さんほどストイックという訳でもないし、母さんが俺に無理やり練習させようとしていた時期は、止めに入ってくれたこともあった。
 

でも、俺は感謝なんてしていない。むしろ、憎いくらいだ。