なんで?どうやったら、そんな絶望の迷路から、突破口を見つけれるんだ…?
どうしたら、そんな皆みたいに、輝かしい生き生きとした笑顔が手に入るんだ…?
「…俺は、どうしたらいいんですか?」
先生が首を傾げる。俺は、ぎゅっと目を瞑った。
「どいつもこいつも、ちゃんと『好き』って気持ちを持っていて…。ちゃんとお前にもあるとか、のんびり待てば勝手についてくるとか、そんな風に言われたってやっぱり焦るんです。俺だって、『好き』って気持ちがあれば、なんにも苦労しないのに…!」
思わず、心の中の言葉を叫んでしまった。
皆、楽器の練習を止めて、何かと俺を見つめている。その中には、黒西もいた。
でも、先生だけは焦る態度も見せないで、じっと俺から目線を逸らさない。
しばらく、沈黙が流れた。
「…方法なんてないんだよ。方法を探して、手に入れた『好き』という感情は、本当の『好き』なんかじゃないから」
教室が、耳が痛くなるくらいに静まり返っているため、先生の小さな声も大きく聞こえる。
「そんなのは、曖昧に空いてしまったお前の心を塞ぐ、カモフラージュの蓋にしか過ぎないんだ。偽物じゃ、お前の演奏に感情は入れられない。絶対に」
目を見開いて、顔を上げた。
でも、対照的に先生は、表情を一切変えない。
誰も口を開かないのに。恐ろしいくらい静かなのに。
