心の中に奏でる、永遠の向日葵



なんでも相談しろ。小島先生の言葉が蘇ってくる。


俺は、少し黙って下を俯いていたが、口を開いた。
 

「…先生、俺がピアノが嫌いだって言ったとき、俺もそうだったって言ってましたよね。あれって、どう意味ですか?」
 

すると、先生が少し困ったように、俺から視線を外す。
 

「…なんでも、相談しろって言ったしな。約束を守るのが先生だもんな…」
 

小島先生が、ぶつぶつと独り言のように呟いているが、俺の耳にはちゃんと全部入ってくる。
 

小島先生は、「ふー」と大きな息をつくと、近くの椅子に腰を下ろした。
 

「…昔、先生もバイオリンを結構やっていてな。コンクールとかでも優勝してたから、将来有望って言われていたんだ」
 

先生は、練習している生徒たちを見つめているが、本当に見つめているかどうかは分からない。

なんとなく、見ているところが違うような気がしたからだ。
 

「でも、突っ走り過ぎて、ある時立ち止まってみたら、自分がどこにいるのか分からなくなったんだ。自分はバイオリンが好きなのか、何のためにバイオリンを弾いてるのかって。そんなぐちゃぐちゃな気持ちのまま、あるコンクールに出たら、『なんだあの演奏は!』って苦情がいくつも出てな。その時先生は、演奏者としてあるまじきことをしてしまった」
 

そこで、一度言葉を止めると、悲しそうに目を伏せた。