心の中に奏でる、永遠の向日葵



でも、それは『好き』っていう気持ちが、原動力なのだろうか。

水田の言ってた通り、俺にも『好き』という気持ちが、ちゃんとあるのだろうか?
 

水田も伊藤も、憎いくらいに情熱があって。ほんと、自分自身に劣等感を感じてしまう。
 

「…いいよな、伊藤も水田も。そんなに『好き』って気持ちが、ちゃんとあって」
 

伊藤が、俺の方に顔を向ける。でも、俺は伊藤から目をそらし、窓の外を見た。
 

「水田には、どんなものも『好き』がなかったら続けられないから、俺にもちゃんとそういう気持ちはあるって言われたんだけどさ。でも、少なくとも俺はまだ自覚はないから、ないも同然で。なんか、ずっと答えを探してるのに、見つからないっていうかさ…」
 

伊藤は、何も答えずに絵具の筆を握ると、俺の鼻に筆をつけた
 

「うわっ。な、なにすんだよ!」
 

鼻を触ると、俺の指が少し赤く染まっている。伊藤は、ワンパクないたずらっ子のようにけらけら笑った。
 

「別に、そんなの真面目に考えなくたっていいんじゃねえの?お前普通にピアノうまいわけだしさ。のんびりと生きてたら、いつかどうにかなると思うぜ」


俺は、鼻を拭いてた手を止めると、指の力を抜いてしまった。
 

すると、伊藤は筆を置いて、改めて俺と目を合わせた。