心の中に奏でる、永遠の向日葵




俺に背を向けながら、戸棚の前に立っている伊藤の肩が、ぴくっと飛び跳ねる。
 

「な、なわけないだろ!ただ、描きやすい顔をしてるから描いてるだけで、別にそんな気持ちは…」


あまりにへたくそな弁解に、俺は疑いを通り越して、呆れて頭を落としてしまった。
 

「お前さ、それ言い訳になってると思ってんの?」
 

俺の言葉に、伊藤はものすごい勢いで頭を掻く。
 

「かー!うるさいなぁ、しょうがないだろ!あんなの見られて、普通でいる方がおかしいわ!」
 
「あ、お前今さらっと認めたな。そういうの、語るに落ちるって言うんだぞ」
 
「うっせえ!毎回毎回、弁解しづらくなるような突っ込みをすんな!」
 

俺に勢いよく怒鳴ったと思ったら、伊藤は崩れるように椅子に座った。
 

大きな声を出し過ぎて疲れたのかなと思っていると、伊藤は静かに口を開いた。
 

「…そうだよ。好きなんだよ、ずっとあいつの事。小さいころから」
 

いざ本人から聞くと、知っていてもやっぱりドキッとしてしまう。
 

「い、いいんじゃないのか?別に、幼馴染の恋愛なんてよくあることだし」
 

すると、伊藤は顎を自分の手に乗せて、諦めたように首を横に振る。
 

「逆だよ。幼馴染だから、もう恋愛対象として見られてないんだ。ずっと分かってるのに、なぜか諦めきれなくてさ」
 

そういえば、俺が黒西に、伊藤と黒西は仲がいいのかと聞いたとき、ときめきとか動揺とか一切なく、何でもない事のように『ただの幼馴染』と答えていた。