なんなんだろう。やっぱり、俺がおかしいのだろうか。
やっぱり、皆好きだって気持ちがあって、色んなことに挑戦してるんじゃないだろうか。
…そうだ、ついでに伊藤と黒西の部活も見に行ってこようかな。
伊藤の絵がうまいって、黒西が言っていたし、伊藤自身も一度見てみてと言っていたし、いい機会だ。
俺は、体育館を出て、来た道をたどる。
美術部といえば、美術室だよな。
俺は、比較的新しい方の校舎に入ると、美術室を目指す。
ええっと、確か二階に…。
あ、あった。水色の扉の上に、『美術室』と書かれた名札がある。
俺は、ドアに手をかけると、横に動かした。
「…失礼しまーす」
ぼそっと声を出すが返事がない。聞こえなかったかなと中をのぞくが、誰もいなかった。
あれ?部屋、違ったのかな…。
俺が周りを見渡すと、隅の方に大きなキャンパスと、絵具セットのようなものが置いてある。
なんだ、たまたまいなかっただけか。
でも、一つしか道具が置いてないってことは、伊藤しかいないって事なのだろうか?
俺は、伊藤の絵を見てみようと、キャンパスの方に歩いて、絵を覗き込んでみた。
「…え?」
目が点になった。予想外の絵に、俺は思考が停止する。
驚いた理由は二つある。
一つ目は、この伊藤のものらしき絵が、あまりにもうまいこと。
