心の中に奏でる、永遠の向日葵



向日葵は自慢げにそういうと、ひまわり畑の中にできている道を、白杖を使って歩き始める。
 

ここ、向日葵が来て楽しいところなのだろうか?
 

普通の人だったらきれいとか思うかもしれないけど、向日葵は盲目なわけだし、本当に向日葵は楽しいのかと疑問に思ってしまう。
 

「すごいな、ここ。ちょっと、びっくりした」
 

それでも俺は、素直な感想を述べると、向日葵も「うんうん」と頷いて、
 

「私も初めて見たときは、びっくりしちゃった」
と言った。
 

…あれ?初めて『見た』とき?
 

見たときって、目で見たってこと…か?
 

でも、向日葵は盲目のはずじゃ…。
 

俺が首を傾げていると、突然今までひまわりだらけだった道に、明らかに作ったようにぽっかりと開いた場所にたどり着いた。

真ん中には、すこし古びてさびが見える、白いベンチが置いてある。
 

向日葵は何のためらいもなしに、そこに座る。俺も、慌てて向日葵の横に座った。
 

三百六十度、全てひまわりに囲まれていて、なんだか別世界に来た気分だ。
 

「この場所も、おじさんが特別に作ってくれたの」
 

俺の心を見透かしたように、向日葵が優しい声で教えてくれる。


一つ疑問が解決したと思ったが、俺にはまだたくさん疑問がある。
 

でも、それも聞きづらい質問ばかりだ。

目が見えないのに、ひまわり畑に来て楽しいか、とか、初めて見たときってどういうこと、目が見えていたのか、とか。