向日葵の人間性を知らない人たちにとっては、向日葵はただの盲目人でしかない。
ほんと、だとすると余計に分からなくなっていく。
どうしてそこまでされている向日葵が、こんな明るくいられるのか。
「…ねえ、なんで向日葵は…」
「あ、着いたよ!」
思い切って聞こうとした瞬間、向日葵の嬉しそうな叫び声が遮った。
そのまま、向日葵は俺の言葉には気が付かなかったらしく、白杖をつきながら走り出す。
俺の目の前には、『小松』と書かれた看板と、大きな門がある。
周りは壁に囲まれていて、中に何があるかは分からない。
なんだろう、ここ?
俺が首を傾げながらも、門をくぐる向日葵について行くと。
「…え?」
思考が停止した。頭が、文字通り真っ白になっていく。
いや、嘘だ。正確には、頭の中がひまわりになっていく、だ。
俺の目の前に開けたのは、あたり一面に咲き誇る、大量のひまわりだったから。
青く澄み渡る空に、眩しい太陽の光をうまく遮るように浮かんでいる薄雲。そして、どこまでも続いていく、風に吹かれて黄色い海のように揺れる、可憐なひまわり。
「…なんなんだ、ここ?」
「ふふ。すごいでしょ?ここね、おじさんが経営しているひまわり畑なの。よくここに来て、ひなたぼっこしてるんだ!」
