俺の「好き」は、キミ限定。

 


 ✽ ✽ ✽


「ご、ごめん、お待たせ……!」


近々ある学園祭についての説明のせいで、帰りのショートホームルームが長引いた。

担任の長い話が終わったと同時にダッシュで教室を出た俺は、駅までの道のりを急いだ。

だけど結局、待ち合わせの時間には間に合わなくて……。

着いたときには約束の時間を十分も過ぎていて、ミオを待たせる羽目になってしまった。


「今日に限って、担任が学園祭のことを話しだして……ほんとにごめん!」


パチンと顔の前で手を合わせて謝りながら事情説明をすると、ミオは「大丈夫だよ!」と笑ってくれた。


「私達もさっき来たばかりだし、全然待ってないから──」

「えー、僕たちはここに待ち合わせの時間の五分前には着いてたから、結構待ったじゃなーい」

「え……」

「っていうか、へぇ? これが噂のユウリくん? ……ふぅん、顔は確かにイケメンだわ。とりあえず容姿は合格」