「あ、あの……っ、そ、それは、えと……ご、ごめんなさい……」
とりあえず謝ってみたものの、自分でも何に対して謝っているのかはよくわからなかった。
『別に、ミオが謝ることじゃないよ。……もう、寝よっか。って、まだ8時過ぎだけど……』
いつもなら、まだまだ起きてる時間帯だ。
だけど今日はこれ以上起きていたら、ドキドキしすぎて心臓が持ちそうもない。
「う、うん、寝よ!」
『……うん。じゃあ勉強はまた今度、図書館とかで一緒にやろう』
そのユウリくんからのお誘いには、上手に頷くことができなかった。
だってその約束は、恋愛指南書のレッスンにはないものだったから。
一緒に勉強するなんて……そのときも、今みたいにドキドキして集中できる気がしない。
また勉強どころじゃなくなって、そしたらそのときは、どんな顔をすればいいんだろう。



