俺の「好き」は、キミ限定。



「美織(みおり)〜っ! おはよう……ってアンタ、朝から随分酷い顔!」

「たっちゃん……。そう言うたっちゃんは、今日もとても美しいね……」


ざわざわと談笑の花が咲く朝の教室。

親友とも呼べる"彼"が座る後ろの席に腰を下ろすと、たっちゃんは長い足を優雅に組んでコチラを向いた。

オシャレに着崩された制服と、古着屋さんで見つけたらしいポップなスニーカー。

白い肌に、可愛らしい顔立ちを引き立てるように施された完璧なメイクと、校則違反ギリギリアウトのところでダークネイビーに染められた髪は彼によく似合っていた。

机の上に置かれた手の爪には綺麗なネイルが光っていて、今日も女の私よりも身だしなみに余念がない。