俺の「好き」は、キミ限定。

 


予想外の返事に目を丸くすると、ユウリくんが画面の向こうで不思議そうに首を傾げた。

平凡な顔の私とは違って、誰もが振り返る美人で、天使みたいに可愛いと評判のお姉ちゃん。

そんなお姉ちゃんの話をすると、大抵の人は写真ないの?とか、見たい!って言うのに、ユウリくんは……そうじゃないの?


『それだけ……だけど。え……俺、何か変なこと言った?』


私の問いに、戸惑った様子のユウリくんはキョトンと目を丸くした。


『もしかして俺、何か今、失礼なこと言った?』

「う、ううん! そうじゃないの! ただ、その……。私のお姉ちゃんがすごく可愛いって聞くと、みんな、お姉ちゃんを見たいって言うから……」


慌てて答えると、ユウリくんは意外そうに目を見開いた。

その反応が私にとってはまた意外なもので、どんな顔をしたらいいのかわからなくなってしまう。


『え、何それ。俺、多分ミオ以外の女の子のこと、可愛いとか思えないよ』

「……っ、」

『だから別に、ミオのお姉さんの写真を見たいとか思わないけど……』


続けられた言葉に、また顔が熱を持つのがわかった。

ま、また可愛いって言われた……。

その上、私以外の女の子のことは可愛いとは思えないって、どういう意味?

一体、ユウリくんの目には私はどんなふうに写ってるんだろう。

だけど、今のユウリくんが嘘をついているようには思えなくて、余計にどんな顔をしたらいいかわからなくなった。

……仮に、今のユウリくんの言葉が本当なら、ユウリくんは私のお姉ちゃん目当てで私に近づいてきたわけではないと言うことだ。

そう思うと更にドキドキして、身体が熱くなって落ち着かない。