『あー……ごめん。なんか、カッコ悪いな』
ぽつりと零された言葉に、やっぱりドキドキしてしまう。
それと同時に、安心している自分もいた。
『あ……っ。俺も別に、普段から部屋を汚くしてるわけじゃないよ?』
慌てて言い訳するユウリくんが、なんだか可愛い。
ああ、そうか──。ユウリくんも、私と同じだったんだ。
これからテレビ電話をすると思ったら、緊張して落ち着かなくて。
自分と同じように急いで部屋を片付けているユウリくんを想像したら、なんだか少しおかしくなった。
「ふ……、ふふ……っ」
『あー、ミオ、笑ったな? 全然信じてないだろ。ほんとにそんな、いつも散らかってるとかないからな?』
必死に弁解するユウリくんが面白くて、余計に笑わずにはいられない。
「ふふっ、そうなんだ。なるほどです」
『うわ、やっぱり信じてないだろ。ほんとに今日はたまたま、昨日の夜、弟が俺の部屋にゲームをしに来て、そのせいで部屋が散らかってただけで……』
「え……ユウリくん、弟さんがいるの?」
『え? うん。いるよ。一つ年下で、今高校一年生』
「そう、なんだ……」
不意打ちで知らされた新事実に、思わず口籠ってしまった。
そっか……。ユウリくん、弟がいるんだ。
言われてみれば確かに、面倒見もよさそうだし納得だ。



