「わ……っ!」
そのとき、予告なく携帯電話が震えた。
慌てて通話ボタンを押した私は、画面に写った顔を見て、カーッと顔が熱くなるのがわかった。
『……あ、わっ。……ミオ?』
「は、はい……っ! こちら、ミオですます……っ!」
反射で答えたら、舌がもつれた。
咄嗟に手で口元を隠すと、画面の向こうのユウリくんが小さく吹き出し、くしゃりと笑った。
『ふ……っ、はっ。なにそれ、可愛すぎ』
「〜〜……っ」
キラキラした笑顔でユウリくんがそんなことを言うから、からかわれたとわかっていても、ドキドキする。
ユウリくんは可愛いだとか、不意打ちでサラッと言うから……。
言われた方は、いちいちドキドキしちゃうんだ。



