「あと、ミオのことを"ミオ"って呼べるのも嬉しい。俺だけのミオ、って感じで……特別に、ミオを独占できてる気がする」
素直に、思ったことを口にした。
けれど、俺のその言葉にミオは一瞬固まってから、ボッ!と効果音でもつきそうなくらい顔を真っ赤にして固まった。
「ミオ?」
プシューっと湯気でも出そうなくらいに真っ赤になったミオを前に、キョトンとして首を傾げる。
するとミオは、ハッと我に返ったように数回瞬きを繰り返して俺から目を逸らしたあとで、「やっぱりズルイ……」と呟いた。
「ズルイ?」
「う、ううん、なんでもない……っ。え、と……。それじゃあ、ユウリくんの名前は、お母さんがつけてくれたんだ?」
「うん。ミオの名前は、誰がつけてくれたの?」
「わ、私の名前は、お父さんみたい。"自分の人生を、美しく織り成していってほしい"って意味が込められてるみたいで……」
「へぇ、それで美織、か。やっぱりミオに似合った、綺麗な名前だね」
素直な感想を述べると、ミオはまた湯気でも出しそうなほど真っ赤になって俯いた。
何かマズイことを言ったかな──と思ったけれど、思い当たるフシがなくて困ってしまう。



