「いや、全然いいよ。だって、ミオの親友の話だろ? だから、聞けてよかった。話してくれて、ありがとう」
ミオより女子力が高くて、イケメンウォッチングが趣味の……異性の、親友。
色々引っ掛かるところはあるけれど、ミオのことが知れて良かったと思うのは本当だ。
「本当に?」
「うん。ミオのことなら、どんなことでも知れたら嬉しいし」
笑って答えると、ミオは一瞬固まったあとで、またほんのりと顔を赤く染めて視線を左右に彷徨わせた。
「ミオ?」
何か、変なこと言ったかな?
思わずキョトンとして首を傾げれば、ミオはキュッとスカートの裾を掴んで小さな声を振り絞った。
「……ユウリくん、って」
「うん?」
「無自覚……?」
「え?」
無自覚? それってどういうこと……っていうか、それを言うならミオのほうだろ?
けれど、相変わらず真っ赤な顔をしているミオを前にしたら、それ以上のことを深く尋ねることはできなかった。
無自覚に可愛いことを言い過ぎって本人に伝えるのも、今はまだ少し照れくさい。



