「……ユウリくん?」
「あ……っ、ご、ごめん。ミオに見惚れてた」
「え……」
ボーッとミオに見惚れていたら、本音が口をついて出た。
キョトンと目を丸くしたミオは、次の瞬間、顔を真っ赤にして固まってしまう。
その様子がまたどうしようもなく可愛くて、抱き締めたくて、たまらない。
……ああもう、ダメだ。
俺、残念ながら完全に舞い上がってる。
「あ、あの、ユウリくん……」
「……ごめん、今のは忘れて。それより早速だけど、レッスン2を始めよう……!」
慌てて話題を変えたけれど、ミオの頬は赤くなったままだった。
小さくて、細くて、髪の毛はふわふわで。
雪のように白い肌と、俺を見る目は透き通るように綺麗だ。
ふと、ナルに言われた『うかうかしてると、誰かに取られるぞ』という言葉が脳裏を過ぎって、全身から血の気が引くような思いがした。
……わかってる。わかってるよ。
こんなに可愛い子なら、俺以外の誰かが狙っていてもおかしくない。
だけど、だからといって、今すぐどうにかできることでもないだろう?
俺たちは、まだ昨日、お互いの名前を知ったばかりなんだから。
今のまま告白したって、あっという間にフラレるに決まってる。



