「い、言われなくてもわかってるよ……っ」
いつの間にかまた、形勢が逆転していた。
慌てて携帯電話に手を伸ばした俺は、メッセージの画面を開いて内容を確認する。
【おはよう。昨日は、途中で寝ちゃってごめんね； ユウリくんは、寝不足になってない？】
やっぱり、昨日の夜は途中で寝落ちしたんだ……。結構遅くまで、付き合わせちゃったもんな。
っていうか──、
「ヤバイ、かわいい……」
メッセージの文面を読んだだけで、顔が勝手にニヤけてしまう。
「おはよう」と、ミオに目の前で実際に言われたみたいな気持ちになって、椅子に腰をおろした俺は思わず机の上に突っ伏した。
なんだこれ、絵文字のせい？
カラフルな絵文字と文面の向こうにミオの気遣いが見えて、それだけでどうしようもなく顔がニヤけてしまう。
