「──あ、見つけた」
だけど気持ちとは裏腹に、咄嗟に出たのは、そんな、どこか抜けている言葉だった。
それでも俺はあの日、あの場所で……自分にとって"大切な人"になる彼女に声をかけた。
あのとき重ねた手の温もりは、これからもずっと忘れない。
いつだって眩しくてひたむきな君に、いつかこっちを向いてほしくて、ただ真っすぐに彼女を想い、追いかけた。
「それじゃあ、これからよろしく。──ミオ」
いつか君に、この想いを伝えたい。
きっと、君をどんなことからも守ってみせるから。
見上げた空は、よく晴れていた。
さぁ、ここから──僕と恋を、はじめましょう。
『僕と恋を、はじめましょう。』fin
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