「ミオ、なんで泣いて──」
「──私が好きなのは、ユウリくんだよ」
「え……」
「私の好きな人は、ユウリくんだけ。トウヤくんじゃない。私の初恋は……今、目の前にいるユウリくんだよ」
真っすぐな彼の目を見つめ返して伝えると、胸の鼓動が速くなった。
──はじめての『恋』。はじめての『好き』。
そのどちらもくれたのはユウリくんで、私にとってはどれもがかけがえのない経験だった。
「あのとき、返事ができなくてごめんなさい。でも、私が好きなのはユウリくんだから……。本当にユウリくんだけだから、ユウリくんに好きって言ってもらえて本当に嬉しい」
上手に告白の返事なんてできなくて、ただ、今ある気持ちを言葉にするだけで精一杯だった。
──ユウリくんが好き。大好き。
いつだって私を大切に想ってくれる彼のことが、私はとても好きなんだ。
そしてこれからは、私も彼のことを大事にしたい。
彼が私を想ってくれる以上のものを、彼に返して歩んでいきたい。



