「やっぱり、気持ちが良いね……」


あのあと私達は電車に乗って、以前ふたりで訪れた思い出の海までやってきた。

煌く水面と、ペールオレンジの砂浜。

前に来たときよりも景色が輝いて見えるのは、今の私があのときとは違う気持ちでいるからなのかもしれない。


「ミオと、ゆっくり話したかったんだ」


ふたりで浜辺に降りて海を眺めていると、隣に立つユウリくんがそう言ってこちらを向いた。

真っすぐな目はいつだって、私の心をクラクラさせる。

自然と繋がれた手にドキドキして、彼を見上げることすら照れて、くすぐったかった。

……トウヤくんも、無事に逃げ帰ることができただろうか。

ユウリくんに聞いたら大丈夫だよと言われたけれど、また今度会えたときには、話の続きをしてみたい。