俺の「好き」は、キミ限定。

 


「ユウリ……」

「ナル、お前……もう二度と俺達に関わらないってなんだよ! 俺と友達でいるのもやめるって、どういうことだよ⁉」


ユウリくんの問いかけに、トウヤくんは眉根を寄せて苦虫を噛み潰したような顔をした。

反対にユウリくんは強く拳を握り締めると、今度はひと呼吸置いたあとで静かに口を開く。


「……俺達の関係って、そんなに簡単に割り切れるものなのか? 少なくとも俺は無理だよ。だって俺にとってナルは、大切な友達だから」


言い聞かせるように言ったユウリくんの言葉に、ナルくんが俯いていた顔を上げた。

その目には動揺と迷いが浮かんでいて、胸がギュッと締め付けられる。


「だけど俺がお前のそばにいたら、シラサカはまた嫌な思いをすることになるだろ……! それくらい俺はシラサカに、取り返しのつかない、酷いことを言ったんだ!」

「……うん、わかってる。でも俺はそんな過去の行いを、ナルがずっと後悔してたってこともわかってるから」

「……っ、そんなの、わかるわけないだろ」

「わかるよ。だってナルは、そういう奴だろ?」


キッパリと言い切ったユウリくんは、ゆっくりと私に向き直った。

穏やかな瞳は切なさを纏っていて、思わずキュッと唇を噛みしめる。