「まずは、今の俺達の出会いを"運命の出会い"として、そのあとのレッスンを二人で実践していく、とか」
「でも……」
「な、なんか、面白そうじゃない?」
面白そう、かどうかはわからないけど、興味があることは確かだった。
だって私はずっと、"恋"というものに憧れていた。
恋をした女の子たちは、どんな気持ちになるのだろう。
人を好きになるって、一体どんな気持ちなんだろう。
興味があるからこの本を買い、そして──余計に恋に、憧れた。
「運命の出会いを演出しよう、って……でも、この本に書いてある方法とは、既にちょっと違うけど……」
言いながら、パラパラと冒頭部分のページを捲くってみせる。
第一節を開くと、そこにはドドーンと大きな字でこう書かれていた。
──恋を掴むにはまず、運命の出会いを演出しよう!
大きく書かれたその文字の下には実例がいくつか、記されている。



