俺の「好き」は、キミ限定。

 


「ふ……っ、う……っ」


無我夢中で走ってきたせいか、足がフラフラする。

思わず公園の片隅でペタリとしゃがみ込んだ私は、自分の口元を両手で覆った。

……トウヤくんと私は、中学生の頃、友達だった。

ううん、正確に言えば私だけが一方的に、友達だと思っていただけだった。

私が勝手に……勘違いして、トウヤくんを友達だと思っていたんだ。


「っ、なんで……っ」


ぽたりと、頬を伝って落ちた涙の雫が、土の上に黒いシミをいくつも作った。

思い出すのは中学二年生のとき、トウヤくんと初めて同じクラスになったときのことだ。

席が前後で班が一緒で、偶然委員会も一緒になった私達は……気がついたら、お互いのことをよく話す間柄になっていた。


『……シラサカってさ。あの、白坂愛美さんの妹なの?』


中学生の頃からどこか大人びた容姿をしていたトウヤくんは、内面も落ち着いている男の子だった。

そんなトウヤくんにある日お姉ちゃんのことを尋ねられ、私は一瞬戸惑いながらも、その問いに頷いた。