「……っ、」
気がついたら、強く地を蹴って、走り出していた。
「……っ、ミオ!」
「は……っ、ハァ……ッ」
とにかく、早く。一秒でも早くここから逃げ出したくて、私は無我夢中で来た道を走り続けた。
去り際に、ユウリくんの私を呼んだ声が耳の奥で木霊する。
と、同時に過去の記憶の中の声が鮮明に呼び起こされて、胸の動悸が酷くなった。
『友達なんて……そんなの俺は、一度も望んだことはない』
『俺は……俺は本気で、愛美さんのことが好きだった』
『そういう俺の気持ちなんて、シラサカは何もわかっていないくせに』
『恋も知らないお前に、俺の気持ちなんてわかるわけがない』
「っ、ハァ……、は……っぁ」
走って、走って。たどり着いたのは、駅の近くにある公園だった。
そこは以前、ユウリくんときたことのある公園だ。
ユウリくんと初めて放課後に出掛けた……木登りをしていた男の子を助けた、思い出の場所だった。



