「とりあえず、裏通りにあるベンチで休憩しようか?」
「うん……ごめんね」
俺としては、ミオが気に入ったものをプレゼントしたい。
もちろん、手持ちに限界はあるけど……。
ミオは何を見ても「申し訳ないし、大丈夫だよ」と言うだけで、やっぱり俺からプレゼントを貰うことを遠慮しているみたいだった。
「ミオ、ほんとに気にしなくていいから──」
なんでも、自分が欲しいと思ったものを教えてほしい。
だけど、そう伝えようとしたとき、ふとあるものが目に入ってその場に足を止めた。
「ユウリくん?」
裏通りに入ってすぐの場所に、小さな出店のワゴンがある。
可愛らしくディスプレイされたワゴンの後ろには、大学生くらいのお姉さんがちょこんと座ってラッピングの作業をしていた。
「ミオ、あのお店、見に行ってみない?」
「え……でも……」
「見るだけでも。せっかくだし、まだ帰るには少し早いし」
繋いだ手を引いて、ミオとワゴンへと向かった。
木製の、本当に小さなワゴンだ。
足元部分は鉄製の車輪がついていて、簡単な移動式になっている。
ワゴンの前で足を止めると、色とりどりのアクセサリーが、俺達を迎えてくれた。



