「……わかった。じゃあ、一つだけ約束してもらってもいい?」
「約束?」
「うん。当日は、俺から絶対離れないって約束して。俺以外の男がミオに近づかないように守るから、今日みたいに……俺の手だけは、絶対に離さないで」
繋いだ手にギュッと力を込めた。
そんな約束、大袈裟だってミオは思っているだろう。
だけど、決して大袈裟なんかじゃない。
それほど俺はミオのことが大切で、好きだから、守りたいんだ。
「ユウリ、くん……?」
気がつくと、ミオの家まであと十数メートルというところまで来ていた。
昨日はここで別れたけれど、今日は離れ難いし、何より繋いだ手を離すのが難しい。
「……ありがとう」
そのとき、ぽつりと呟かれたミオの言葉に、ハッとして息を呑んだ。
手を繋いだまま、俺を見上げるミオはふにゃりと笑うと、やっぱり照れくさそうに笑ってみせる。



