「……行きたい」
「え?」
「ユウリくんが大丈夫なら……学園祭、行ってもいい?」
驚いて、目を見開く。
まさかミオが行きたいと言ってくれるなんて、意外だった。
「でも……うち、男子校だよ? うるさいし、ガサツなやつばっかりだし……」
「……うん。でも、普段、ユウリくんが過ごしてる場所でしょ? いつものユウリくんを見られるのは嬉しいし、だから……その……ほんとに、ユウリくんさえ大丈夫なら、是非……」
耳を赤く染めて、恥ずかしそうに言うミオを前にしたら、また胸がキュンと高鳴った。
どうしよう。可愛い。
可愛すぎて、他の奴には絶対に見せたくないんですけど。
絶対に、他の奴には触らせたくないし、こうして手を繋ぐのも俺だけがいい。
腕の中に閉じ込めて、この先も──俺だけが、ミオの可愛さに気付ける唯一の男であればいいのに、なんて、俺は相当な末期だ。



