俺の「好き」は、キミ限定。

 


「テストも、今回はたっちゃんに勝てたの」

「そっか、よかったな。前に、テストで負けると、たっちゃんにバカにされるって言ってたもんな」

「うん、そうなの。でも今回は、ほとんどの教科でたっちゃんより良い点数取れたから……」

「そっか。頑張ったな……って、あ。そうだ」

「うん?」


そのとき、ふとあることを思い出した俺は、隣を歩くミオへと目を向けた。

突然自分の方を見た俺に驚いたのか、ミオはハッとしてから顔を上げると、赤く染まった頬のまま固まった。


「今度、うちの学校の学園祭があるんだ。今日、その話をミオにしようと思って忘れてた」

「え……学園祭……?」

「うん。ミオさえ良ければ、是非遊びに……って思ったんだけど。男子校だし、女の子一人では来にくいよな……」


かといって、たっちゃんと二人でおいでと誘って、ナルに会ったらマズいだろう。

ナルは、ミオとたっちゃんが親友であることに否定的だし、それを二人の前で表してお互いを嫌な気持ちにさせたくない。

だから、それならミオ一人で学園祭に遊びに来れば……と思ったけれど、さすがに男子校の学園祭に女子一人で来るのは厳しいだろう。

っていうか、話しておいてなんだけど、俺が嫌だ。

学校内でミオに会えるのは嬉しいけど、俺以外の飢えた男たちにミオを見られるのは、すごく嫌だ。