俺の「好き」は、キミ限定。

 


「……なんか、あっという間だったね。いつもユウリくんといると時間が過ぎるのが早い気がして、不思議だね?」


えへへ、と照れたように笑うミオは、抱き締めたくなるほど可愛かった。

ミオは多分、その言葉に俺がどれだけ浮かれてしまうかも知らないんだろう。

俺がどれだけ、ミオへの想いを募らせているか、知らないんだ。


「……俺だって、いつもミオといる時間はあっという間だなーって思ってるよ?」

「え……」

「多分、これから先もずっとそう。ミオといると楽しくて、もっとずっと一緒にいられたらいいのにって思うんだ」


顔を見ては言えなくて、つい、視線を足元へと落としてしまった。

すると、ふとミオの鞄に恋愛指南書が入っているのが見えて、あることを思い出す。


「そういえば……次のレッスンってなんだっけ?」

「え……っ!?」

「自分磨きをしましょうってやつは、二人でできるものじゃないから無理だねって話だったけど、その次は?」


恋愛指南書は、基本的にミオが持ち歩いている。

俺はそもそも作者のファンなわけではないし、中身の全てまでは把握できていなかった。