俺の「好き」は、キミ限定。

 


「わ、私はどこでも大丈夫だよ……! ユウリくんの行きたいところに行けたら、それが一番嬉しいし……」


俺から目を逸らして、頬を赤く染めるミオ。

頬にかかった髪を耳にかけたせいで見えた耳も、ほんのりと赤く染まっていた。


「俺の行きたいところ、か……。わかった。そしたら当日までに、色々考えておくよ」


答えると、ミオは俺の顔を見てフニャリと笑う。

その笑顔に、胸がキュンと鳴って苦しくなって……思わず膝の上で拳をギュッと握りしめた。


「ありがとう、楽しみにしてる」


ふふっと声を溢したミオは、本当にデートを楽しみにしてくれているんだろう。

なぁ、ミオは、本当に俺のことをただの友達だと思ってる?

たっちゃんと同じように、俺のことも男としては見てないの?


「ユウリくん……? どうしたの?」


思わずジッとミオを見つめていると、そんな俺を不思議に思ったのか、ミオがキョトンとして首を傾げた。


「ご、ごめん、何でもない……!」

「そう? それならいいんだけど……」


そのとき、車内に次の駅の停車を告げるアナウンスが響いた。

次の駅はミオが降りる駅で、気づいたミオもハッとしてから顔を上げる。