「むしろ、なんて言うか……。さっきは、笑った顔が綺麗だなーとか思ったくらいだし。それに俺、服とか選ぶのあんまり得意じゃないから、オシャレで羨ましいとかは思うけど……」


そう言って笑みを零すと、何故かたっちゃんの頬が赤く染まった。

たっちゃんは、ミオの言うとおりの人だった。

口では悪態をついていてもミオのことを友達としてとても大切に思っているし、いざというときはとても頼りになるんだろう。


「でも……正直に言うと、ミオは恋愛対象じゃないって聞いて安心はした。たっちゃんがライバルだったら、勝てるかどうか自信ないし」


言いながら頬をかくと、正面に座るたっちゃんが、唐突に深い溜め息をついた。


「ハァ〜〜。アンタってさ、無自覚で人の心をくすぐる厄介なタイプだね」

「え?」

「まぁでも、あの鈍い美織とはお似合いかもしれないし、美織を落とすには、それくらいの揺さぶりがなきゃダメかもね」


パフェのアイスをスプーンですくったたっちゃんは、パクリとそれを頬張った。