「あ、これも美味しい」
「でしょでしょ!」
だけどそのやり取りは、ふたりにとっては日常なのか、お互いに気にしている様子もなかった。
……っていうか、ほんとにこれが日常?
女の子は友達同士で、食べ物や飲み物をシェアしたりするって聞いたことがあるけど、男の俺からするとどうにも理解に苦しむ世界だ。
「今度来たときにも、どれを頼むか悩んじゃうねー」
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか……。
メニューを開いたたっちゃんは、ミオにピタリと身体を寄せる。
「次はさ、これとこれを頼んでシェアしない?」
目の前で触れ合う二人の身体。
……ほんとに、ただの友達なんだよな?
なんて思うのは、やっぱり俺の心が狭いせいなんだろうか。
仲が良いのを見せつけられているようにも思えて、すっかりひとり、置いてけぼりで……。
目の前に置かれたジンジャーエールを飲む手が、やけに重く感じてしまう。



