あれだけ動いたのに
息を乱すことなく、
むしろもっとやりたいと言わんばかりの
表情で私に問いかけた。


「もちろんだよ!
すっごくかっこよかった!!
引き込まれたもん!」


用意していたタオルと
スポーツドリンクを渡しながらそう答えると
斗真は満足そうに笑った。


「美桜、この後デートするか。」


久し振りのデートのお誘い。
断る訳もなく大きく頷いた。


「ちょっと美桜、私の存在忘れてない?」


はぁと呆れながら言うのは


「あ、莉子。」


うん、ごめんすっかり忘れてた。


てへっと舌を出して
とぼけてみるけど
莉子には通用しなかった。


「美桜が一人じゃ行けない!って
言うから来てあげたのに~!」