シュートを決めて
仲間とハイタッチする斗真は
最高に輝いていた。


バッシュのキュって音。
シュートが決まった時の
シュッて音。
タンタンと乱れないリズムで刻まれる
ドリブルの音。
私はバスケの世界に引き込まれた。


生き生きしている斗真を見ていると
なんだか私も嬉しくなった。


シュートが決まるたび
ギャラリーからたくさんの声援が
響いていたみたいだけど、
私はそれも耳に入らないほど
斗真の動きに五感の全てを
奪われていた。


気付けばピピーッと
試合終了の笛が鳴り
結果は106-32。
明らかな点差をつけ圧勝。


歓声が沸く中、礼をした斗真は
一直線に私の元へ走ってきた。


「ちゃんと見てた?」