「声、聞いたら会いたくなるな。」


無意識に出た言葉は
しっかりと斗真にも伝わっていた。


『それ、本気にしていい?』


どういう意味か分からず
いいよと答えると


『外、見て。』


カーテンを開け
玄関先を見下ろすとそこには
1つの影。


「…え?」


『会いたくなって来た。』


その影は紛れもなく斗真だった。


急いで玄関に向かう。
呼び止めるお母さんの声を
振り切って外で待っていた
大好きな人の胸に飛び込んだ。


「…っ斗真!」


すごい勢いだったのにも関わらず
斗真は私をちゃんと受け止めてくれた。


「そんなに俺に会いたかったの?」


意地悪な笑みに今日は反抗する気もせず
素直に頷いた。