「斗真だよ!結城斗真!」


そう言うとお兄ちゃんは
ご飯を食べようと持っていた箸を
ポロっと床へ落とした。


「ねぇ、大丈夫?」


私は落ちた箸を広い、洗った物を
お兄ちゃんに渡した。


「美桜、まじで”あの”結城斗真か…?」


「もう!だから何度も言わせないで!
そうだよ?
信じられないなら会う?
今日から迎えに来てくれるから。」


そう言うとお兄ちゃんより先に
お母さんが返事をした。


「えー!お母さん会いたい!!」


どこぞの高校生ってテンション。
まだまだ若いね。


「良いけど、愛想はよくないかも。
あんまり笑わないって有名だから。
あ、でも私には優しいの!
昨日だって教科書貸してくれたし!」